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以前この立川競輪場で落車して担架で運ばれる際に貰った暖かい声援を忘れずにいる。
昨年暮れのヤング・グランプリを勝った猪俣康一が恩返しを述べるインタビューが素敵だった。
三十年以上前の同じ立川競輪場、三コーナーの金網付近だ。名取勝政の番手で頑張ったけど競り負けた中澤俊治に向って俺は「練習してまた来いよ！」と声を投げた。
すると中澤はサドルから尻を浮かせ上下左右に揺すって答えたのだ。感激したなア。以来、中澤が選手を辞めるまで俺はずっと奴のファンだった。
あれが全てではないにしても、あのことがなければ俺はここまで競輪に淫することはなかっただろう。
「原点」を暫く振りに想い起してくれた猪俣に感謝したい。