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　『おにいさん！』…一瞬、ボクの事？と戸惑いながらも足を止めた。振り向くと、食堂のお姉さんが笑顔で誘っている。そこはﾆｭｰ新橋ﾋﾞﾙの地下街、ボクは昼めしを食べる店を探しうろうろしていたのだ。一瞬戸惑ったのは他でもない。最近は「あんた！」じゃなければ「お前っ！」とか、「ジジイ」なら、まだましで「クソジジイ」と呼ばれているかもしれない。「おにいさん」なんて、弟たちにも呼ばれたことなどないから…
　誘われると言ってもデイトではないので、困っちゃったりしない。ｲﾝﾄﾈｰｼｮﾝから、彼女は日本人ではないことがすぐ分かる。たぶん隣国の方と思うが…笑顔に釣られて、そのままお店へ。食事？ お酒？と聞かれたので、生ﾋﾞｰﾙを注文！ 迷っていたら「ニラ玉」を勧められ、昼めしのつもりが昼呑みに…(〃ω〃) 「帰れ！」と言われないように「お前、勘違いするなよ！」と自分に言い聞かせた。