ギャンブル風俗
2015年1月10日 7時13分更新

時流に負けて何十年も宅配してもらっていた一般紙をインターネット購読にしたが、使い慣れず三カ月で解約してしまった。以来、再契約をするでもなく、家で新聞を読む習慣がなくなった。俺の周りにもキンドルやらアイパッド・スマート・フォンで読書という人間が何人も居る。俺の携帯にも一作品、織田作之助の「競馬」がダウンロードされているが、どうしても「夫婦善哉」の文庫で読む方を選んでしまう。ジーパンの尻ポケットに文庫本が恰好いいし、喫茶店で買ったばかりの単行本を開く瞬間は格別である。
――もう紙の時代ではないですよ。と其処彼処で云われる。そうなのだろう。だけど「予想紙」片手に競輪場、競馬場。覚わった「ギャンブル風俗」はそう簡単に廃れない。俺は信じている。
竹林記者プロフィール
山松ゆうきち、阿佐田哲也、色川武大、ストーンズ、「青春の蹉跌」「アフリカの光」「嗚呼!おんなたち猥歌」内田裕也、テレキャスター、ボブ・ディラン、生田敬太郎、シオン、広島競輪場、鮎川誠