笑わせなくていいから
2013年10月29日 16時07分更新

理想の異性はユーモアのある人――は今に始まった常套句ではないが、司会も芸人・コメンテーターも吉本興業・映画解説・スポーツ解説と、昨今のテレビはあたかも「お笑い至上主義」だ。早口で笑いの取れる人間がもてはやされる。
全国の競輪中継も御多分に洩れずで、笑わそう・おちゃらかそうと躍起だ。
笑いは生きる上での潤いだから否定などせぬが、安易な企画に閉口してしまうことも多々ある。稚拙な掛け合いも同様だ。「受けない漫才」は痛々しく、最も居たくない空間の一つでもある。
♪ようよう腹へってるか ようよう腹へってるか
なんでもいいから たまりゃいいから ようよう腹へってるか
ようよう腹へってるか ふくれりゃいいから ドシッとくりゃいいから
いかしたヤツを聞かしておくれよ チャラチャラしたのはもうけっこう
いかしたヤツを聞かしておくれよ そしたらどこへだってついて行くから
ようようどんな感じか ようようどんな感じか
最高じゃないにしても なんとかまにあいそうか
ようようまだ足りないか ようようまだ足りないか
話はいいから 笑わせなくていいから(SIONの「ようよう」から抜粋)
竹林記者プロフィール
山松ゆうきち、阿佐田哲也、色川武大、ストーンズ、「青春の蹉跌」「アフリカの光」「嗚呼!おんなたち猥歌」内田裕也、テレキャスター、ボブ・ディラン、生田敬太郎、シオン、広島競輪場、鮎川誠