AUTO Q&A


このページではオートレースの内容紹介やご質問にお答えしたいと思います。




●開催回数
 1レース場当たり年間12回、1施行者当たり年間12回です。
●開催日数
 1回の開催日数は9日間です。1開催は3日、3日、3日の3節制と、
 4日、5日(又は5日、4日)の前後節制がとられています。
 なお、1日の レース数は通常11レースです。さらに「施設等改善レース」が、
 1レース場 当たり年間24日以内開催されています。


■SG■G1・G2・G3
 オートレースには、SG、G1・G2・G3、普通の5種類のレースがあり、
 SGレースは、ファン・選手共に胸高鳴るビッグレースで日本選手権オートレース、
 オールスターオートレース、全日本選抜オートレース、スーパースター王座決定戦、
 東西チャンピオンカップ、オートレースグランプリの6つがあります。また、G1・
 G2・G3レースでは各レース場の開設等を記念して地方色豊かなサブタイトルが付けられています。 


●ハンデレース
 競走車の性能や操縦技術など、極端に実力に差のある選手が同一スタートラインから
 スタートするのでは、レース結果は明らかです。そこでオートレースでは、出走する
 選手と競走車の能力に合わせて距離ハンデが課せられ、異なるスタートラインからス
 タートして、理論の上では全車が同時にゴールインするように調整されています。
 ハンデの単位は10m。同一ハンデ(同ハン)の車が2台以上ある場合には、出走表の
 車番号の若い車(同ハンデ車の中で実力下位とみなされた車)がコースの内側に位置
 します。なお、ハンデは固定されたものではなく、他車との関係によってレースごと
 に決定することになっています。


●オープンレース
 実力が伯仲している選手同士が戦うレースに、ハンデはありません。そのような、出走
 選手全員が同一線上からスタートするレースを、オープンレースといいます。全国の有
 力選手がそろうSGレースをはじめ、ビッグレースの優勝戦などは、ほとんどがオープンレースです。


■SGレース■

●日本選手権オートレース
 (優勝賞金 2.000万円)
 その年の日本一を決定するトップタイトルレース。
 賞金もSGレースの中で最高額が与えられます。毎年原則として10月に、各レース場の
 持ち回りで開催。出場選手は、一定期間の競走成績上位者から選 ばれますが、選考の
 条件として品性・技術ともに優秀であることなども求められます。なお、レースはすべてオープンレースで行われます。
●オールスター・オートレース
 (優勝賞金 1.600万円)
 ファンが選ぶ、オールスターによるレースです。
 各レース場の持ち回りで、毎年原則として5月に行われます。出場選手は、
 ファン投票により上位を占め、品性・技術ともに優秀であることが条件です。
●全日本選抜オートレース
 (優勝賞金 1.400万円)
 昭和62年に新設されたSGレース。
 出場選手は、SGレース(スーパースター王座決定戦を除く)の優勝者と、G1・
 G2レース(全国地区対抗戦、ムーンライトチャンピオンカップを除く)の優勝者、
 および一定期間内の成績 上位者となっています。開催は各レース場の持ち回りで、毎年原則として2月に行われます。
●スーパースター王座決定戦
 (優勝賞金 1.200万円)
 SGレースの優勝者に加え、各地区における一定期間内の成績第1位・第2位選手が出場します。(平成9年より)
●東西チャンピオンカップ
 (優勝賞金 1.400万円)
 前年賞金上位者による東西対抗の勝ち上がり方式とし、12レース制として実施します。
●オートレースグランプリ
 (優勝賞金 1.400万円)
 SGレース成績優秀者及び優勝戦のポイント制による成績上位者を選抜し、11レース制として実施します。


■そのほかのビッグレース■

●全国地区対抗戦
 (A級優勝賞金 500万円)
 一定期間における、各地区A級・B級・C級の成績上位者が出場。個人対抗だけでなく、団体対抗でも競り合います。

●G1・G2・G3レース
各レース場の開設記念レースをはじめ、下記のようなレースが開催されます。
G1
 全国地区対抗戦           全場
 黒潮杯争奪戦            船橋
 船橋オート祭            船橋
 グランドチャンピオン決定戦     川口
 グランプリレース          川口
 ゴールデンレース          浜松
 秋のスピード王決定戦        浜松
 ダイヤモンドレース         飯塚
 周年記念レース           飯塚
 山陽グランプリ           山陽
 スピード王決定戦          山陽
 ムーンライトチャンピオンカップ   伊勢崎
 春のスピード王決定戦        伊勢崎
 シルクカップ争奪戦         伊勢崎
G2
 さざんか杯             船橋
 ウインターカップ争奪戦       船橋
 まがたま杯争奪戦          川口
 キューポラ杯争奪戦         川口
 サマーチャンピオン決定戦      浜松
 春のスピード王決定戦        浜松
 春のスピード王決定戦        飯塚
 秋のスピード王決定戦        飯塚
 選抜地区対抗戦           山陽
 山陽王座決定戦           山陽
 稲妻賞争奪戦            伊勢崎
 はやて賞争奪戦           伊勢崎
G3
 地区対抗戦             全場
 九州選手権             飯塚
 ジュニア選手権           飯塚
 若獅子杯争奪戦           山陽


競走路の特長
 オートレースの競走路は、見た目はシンプルですが、レースをより面白いものにするために、
 さまざまな工夫が施されています。まず、走路がフラットではなく、内側に少し傾斜しています。
 これを、バンクの傾斜角といいますが、この傾斜角と直線部の長さ、曲線部の長さの3つの組み
 合わせによって、レース展開が変わってくるのです(たとえば傾斜角を必要以上に大きくすると、
 すり鉢状になったバンクの遠心力を利用してハイスピードでも容易に回り切ることができるように
 なり、テクニックも発揮する余地がなくなってしまいます)。そこで、オートレースでは、高速で、
 しかも高度なテクニックが要求されるコースの研究を重ね、現在の競走路の諸元を完成させたのです。


競走車の機能と特長
コースを左回りで、平均時速105km(直線での瞬間最高速度約150km、コーナーでさえ約90km)
という猛スピードで疾走するために、競走車はいくつかのユニークな特長を備えています。
 
●ブレーキがない
 競走車の最大の特長。レース接近戦で行われるため、勝手なブレーキ操作は追突事故のもととなるからです。
 なお、キャブレターにはアイドリング機能がなく、シャッターが完全に閉じるため、エンジンブレーキの効きは強力です。
●ハンドルの高さが左右違う
 コースを左回りで、終始傾斜して走行する競走車は、傾斜時の安定性を向上させるために左ハンドルが高くなっています。
●計器類がない
各種メーター、ランプ類など、競走に必要のないものは一切取り除かれています。
セルモーターや始動キックペダルもないので、エンジンの始動は押しがけによってによって行います。
●ダイヤモンド型フレーム
フレームは、JAPエキセルシャー型から発展したダイヤモンド型フレームを採用しています。この形式は、
三角フレーム、エンジン、エンジンプレート、上下バックフレームを、すべてボルト&ナットで連結。エンジン
の振動と落車時の変形を最小限にとどめる機能的なものです。なお、付属サドル、ひざ当て、ステップ、チェーン
ケースなどを備えています。
●独自のサスペンション構造
フロントはコイルスプリングのみのテレスコピック形式のフォーク、そしてリヤはまったくのリジット。
これはタイヤが限界を超えて横滑りした時にもマシンのコントロールを容易にするためです。
●2段変速トランスミッション
ローギヤでスタートして、トップギヤに入れ替えたら、あとはアクセルワークによる加減速のみ。
トップギヤのパワーバンドは時速50km〜150kmと非常に広いため、コントロールには細心のテクニックが要求されます。
●三角タイヤ
前後輪とも、ダンロップKR−73、3.00−20−4PRタイヤを使用。カーブでの接地性をよくするために、
タイヤの断面は三角形をしていますが、それでも新品のままでは接地性が十分ではないため、使用する前に接地
する側のトレッド部の表面をサンダーで削り、さらにコースを数周する「当たりつけ」を行います。なお、タイヤ
の寿命は、普通3〜4レースです。
雨天用の特別なタイヤはありません。トレッド部の高いものを「雨天用」、トレッド部の低いものを「晴天用」として使用
しています。なお寒冷期には、薬品の配合率を変えてゴムの発熱性を高めたKR−73Wタイヤが前輪に使われることもあります。
●オートレース専用エンジン
平成5年デビューした新型エンジン『セア』は、オートレースの走路や走法に合わせて、特別に開発されたエンジンです。
従来の1気筒あたり2バルブから4バルブへと変わったことにより、バルブ系に対する負担が大幅に軽減され、故障が少なく
安定した性能を発揮することができるようになりました。また、上下運動を回転運動に変え、回転に弾みをつける役割を果たす
クランクも、従来の2つのピストンが同時に上下する360度クランク方式から、2つのピストンが交互に上下して点火・爆発が、
不等間隔に起こる一体式180度位相角クランク方式に改め、滑らかな回転と大幅な低振動化を実現。操縦性を向上させるとともに、
競走車各部や補器類への影響も減らしてマシンの信 頼性をいちだんと高めています。
もちろん、これらの新メカニズムは、エンジン開発時の重要なテーマであった「選手の負担軽減」「白ろう病や腰痛などの予防」
にも確実に貢献しています。500mのオーバル走路を舞台にして、わずか90mにも満たない直線と、「突っ込み・立ち上がり」の
繰り返しとなるコーナーを、巧みなアクセルワークで駆け抜けてゆくオートレースの選手たち。『セア』は、その苛酷な使用に耐
えるばかりでなく、選手ひとりひとりの操縦技術を存分に引き出すことのできるポテンシャルを備えているのです。なお、新人選手
はAR600より排気量が少ないAR500(498cc)のエンジンでデビューします。


選手の養成
オートレースの選手になるには、茨城県筑波サーキット内にある選手養成所で、約10カ月間、
オートレース選手として必要な知識・技能を習得して、選手資格検定試験に合格しなければなりません。


新人からA級まで

●選手の所属(ホームグラウンド制)
 選手資格検定に合格すると、オートレース選手として日本小型自動車振興会に登録されます。そして同時に、
 現在6場あるオートレース場のいずれかをホームグラウンドとする(所属する)ことになります。オートレースは、
 選手がそれぞれのホームグラウンドを持ち、そこを主戦場としならが、ほかのレース場にも出場(交流)するという
 制度になっているのです。なお、ホームグラウンドの定員は各95名とされています。
●選手のランク制
 選手にはA級・B級・C級と3つのランクがあり、そのランクによって出場あっせん(日本小型自動車振興会が各レースに
 登録選手を配分すること)内容に格差があります。つまりA級の選手は、B級・C級の選手に比べて、G1・G2レースなどに
 多く出場できるようにあっせんされるのです。選手登録された新人たちも一定期間は新人選手として取り扱われますが、その後は
 成績によって3つの級のいずれかにランクされることになります。
●ランクの変更
 選手のランク制は、一定期間の成績によって昇級・降級する仕組みになっています。たとえば現在A級の選手であっても、
 成績によってはB級・C級に降級することもあるという厳しい制度なのです。ちなみにランクは、その適用期間が前期
 (4月1日から9月30日まで)と後期(10月1日から3月31日まで)の2期に区分されていて、前期のランクは前年7月1日
 から12月31日までの競走成績が、後期のランクはその年の1月1日から6月30日までの競走成績が、それぞれランク決定審査
 の対象となります。
●ランクの決定
 競走成績の審査は、各選手の1レースごとのレースタイムを100m秒に換算。さらに別掲の計算式により、
 審査期間中の平均タイムを算出して行います。そして、各ホームグラウンドの成績(平均タイム)上位第1位〜
 第20位の選手をA級に、下位第1位〜第20位の選手をC級に、そして残りの選手をB級にランク分けします。
■競走成績算定の計算式

          1審査期間の完走タイム合計
         +1審査期間の事故加算タイム合計
 平均タイム=――――――――――――――――――――――
             1審査期間の完走回数
 ※秒/100m